守り続けられ、受け継がれていくもの
フィレンツェの一番有名なお料理といえば、" ビーフステーキ "
正確には " Bistecca alla Fiorentina ( フィレンツェ風ビーフステーキ ) " と呼ばれますが、 フィレンツェでは、昔からこのビーフステーキの定義が決められています。
使うお肉はもちろん牛肉。
そのお肉の15〜18ヶ月から22〜24ヶ月までが使用され、部位は背中のサーロインからフィレに至る部分、焼き方はグリルの上で焼かれ基本的にはレア、大きさは約1キロ等、また次回にBistecca alla Fiorentina をきちんとお伝えする記事を書きたいと思いますが、このように、フィレンツェ風ビーフステーキは語られなければならない事がたくさんあります。
このビーフステーキの歴史、技術、食べ方、料理方法などを伝承するために、フィレンツェ肉屋協会と共に文化人、コック、郷土料理を提供するレストラン、美食家、政治家、ジャーナリスト、フィレンツェそしてフィレンツェのビーフステーキを愛する方々で結成された組織 "Accademia della Fiorentina " が今年で25周年を迎え、祝賀する夕食会が開催されました。
約230人が集まる中、フィレンツェの郷土料理であるビーブステーキを、親子何代にもわたりお肉屋さんとして伝えてきた方、歴史・文化ととも紹介してきた教授、本物のビーフステーキを作り続けてきたシェフの方々が表彰を受けました。
みなさん共にフィレンツェのビーフステーキを支えてきた方々。
夕食会の各テーブルにおいても仕事は違うけれど、みなさん尊敬の念を持ちながら楽しい会話が繰り広げられていました。
私も同じテーブルの方々から、この夕食会中にフィレンツェの歴史やメディチ家に関することなど様々なことを教えてもらいました。
イタリアのいいところは、老若男女を問わずにすぐ仲良く出来てお友達のように話ができること。
もちろん年配の方に敬意は払うけれど、会話をするときには固くなりすぎることはありません。
すぐに打ち解けて、楽しい時間を共有することができます。
こちらはAccademia della Fiorentina のシンボルがデコレーション(?)されたミルフィーユと協会関係者の方々。
ミルフィーユの大きさ伝わるでしょうか?
我が師匠リノは、2人のミシュラン2つ星のシェフとともにフィレンツェのビーフステーキ大使に任命され、今までの一言では言い表せない様々な功績とともに表彰を受けていました。
こちらはリノとフィレンツェ肉屋協会の会長が喜びを分かちながらのツーショット。
この協会のシンボルの付いたネクタイを いつものように身につけている会長さん。休日以外はいつも "お肉屋さん " なのです。
今まで守り続けられ、そして受け継がれていくもの。
Academia della Fiorentina のシンボルは、フィレンツェ肉屋協会とフィレンツェ市のシンボル2つが一緒にあるように、" フィレンツェ風ビーフステーキ " は、フィレンツェそしてビーフステーキを愛してやまない人々によってずっと守られていくことでしょう。